5円玉50円玉にはなぜ穴があいているの?
1円から500円玉までの6種類の日本の硬貨。
紙幣は「日本銀行の発行」ですが、
これらの硬貨は「日本政府の発行」です。
紙幣は海外で両替することが可能ですが、
硬貨は基本的に両替できませんよね。
硬貨は「補助貨幣」の位置付けなのです。
でも子供の頃から慣れ親しんでいる「硬貨」、
その存在は無視できませんよね。
もし「硬貨」が無くなってしまって、
全部お札になってしまったらどうでしょうか。
1円や5円10円のお札がたくさん増えて、
お釣りで財布はパンパンに膨れてしまいますね。
また自動販売機を利用するときも、
お金を投入するのが非常に面倒な事に・・・。
さて、
子供の頃からの馴染みが深いので、
普段はあまり気にはなりませんが、
5円と50円玉には、
なぜ穴があいているのでしょうか。
ちょっと疑問に思い出したら、
眠れなくなりましたので、
五円と五十円玉の、
穴の空いている理由を調べてみました。
外国人にもとても分かりやすい硬貨
来日した外国人にも、
この5円玉50円玉は、
簡単に覚えてもらえるようですね。
なぜなら穴が空いているので、
判別するのが容易だからです。
でも実は、
穴が開いていて流通している硬貨は、
世界でも珍しい存在らしいのです。
珍しいものだから外国の人にとっては、
興味を持ち易いのかもしれませんね。
穴あき貨幣の歴史は?
さて、
日本の硬貨の歴史をさかのぼってみると、
かつても穴の開いたものはありました。
覚えていますか?
今から1300年前に流通した、
和同開珎(ワドウカイホウ)は、
歴史の教科書で習いましたよね。
ちょっと横道に逸れますが、
ワドウカイチンとの呼び方もあって、
どちらが正しいか決着はついていません。
また江戸時代の、
寛永通宝なども穴が空いています。
五円玉の穴あきの理由とは
だだ現在の5円玉や50円玉が、
穴あきになったのは、
それなりの理由がありました。
穴あき5円玉が鋳造されたのは、
第二次世界大戦が終わってまだ間もない、
1949年(昭和24年)のことでした。
ちなみに終戦日は、
1945年(昭和20年)の8月15日です。
穴あきの五円玉は、
「目が不自由な人でも、
分かりやすいデザインにする」
という1つの考えはありました。
でも本当の理由は、
インフレで物価が高騰していた為、
穴を開けて材料費を節約したのです。
実は穴あき五円玉の作られる1年前、
1948年に穴のあいていない、
(無孔)5円玉が発行されています。
口径はどちらも22mmですが、
有孔5円玉が3、75g、
無孔5円玉が4、00gとなっており、
0、25gの節約ができています。
穴を開けるだけで、
約6パーセントも違うのですね。
硬貨は大量に作るものですから、
この節約は大きいですよね。
戦後の日本が物価高騰によって、
どれほど貧窮していたかを、
ちょっと垣間見れるエピソードですね。
五円玉の穴あきの理由は、
資源節約の為とは意外な理由でした。
もちろん、
他の硬貨と区別し易いように、
との配慮もあったのでしょうけれども。
五十円玉の穴あきの理由
五十円玉の歴史は、
1955年(昭和30年)に無孔の50円玉が、
1959年(昭和34年)に有孔の50円玉が、
順に製造されました。
五十円玉の穴あきの理由は単に、
百円玉との区別を容易にする為だったそうです。
1959年の有孔50円玉は直径が25mmで、
現在のものより直径が4mm大きいものでした。
現在の50円玉は1967年(昭和42年)に発行され、
直径が21mmの有孔です。
百円玉が22,6mmですから、
穴が無いと間違い易いかもしれませんね。
五円玉と五十円玉でビッグなプレゼント
ところで突然ですが、
あなたは外国に行く予定がありますか?
または外国人のお友達がいますか?
意外に思われるかもしれませんが、
世界のコインマニアが、
喉から手が出るほど欲しがっているのが、
日本の5円玉と50円玉だそうです。
先にも述べましたが、
穴あきの政府通貨は、
とても珍しい物だそうです。
外国のお友達がいましたら、
5円玉と50円玉をプレゼントすると、
とても喜ばれるかもしれませんよ。
あれこれプレゼントに悩むよりも、
日本の硬貨を差し上げて見てはいかがでしょう。